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時計の選び方:時計について知っておくべきすべてのこと

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美しい時計が好きで、時計づくりについて詳しく知りたいあなた。
"ムーブメント"、"サファイアガラス"、"リューズ"など、用語の意味を知りたいあなた。
そんなあなたのために、このガイドをご用意しました!

携帯電話が瞬時に、しかも正確無比に時刻を知らせてくれるこのデジタル時代に、例えばスイスで年間数千万個もの時計が製作され続けていることが想像できますか。

実用的な道具というだけではなく、腕時計はジュエリーのようなもの。どんなスタイルにもささやかなアクセントをプラスするこのアクセサリーは、時を超えて多くのコレクターの垂涎の的となってきました。

しかし、なぜ時計がこれほどまでに人々の情熱をかき立てるのでしょう?”美しい時計”の基準とは何でしょう?
そうした疑問のすべてに、簡潔にお答えしたいと思います。

基礎知識

専門的な話に入る前に、腕時計の歴史を駆け足でおさらいしましょう。

——    最初の時計はいつ作られたのですか?

太古の時代から、人々は日々の計画を立てるため、時間を区切る必要がありました。当時、その道具は、流れた水の量から時間を読み取る「クレプシドラ(水時計)」のような、非常に簡素なものでした。最初の、そして今もなおよく知られる日時計や砂時計により、人々は多少なりとも正確に時間を計測することができるようになります。

ご存じでしたか?

1492年、アメリカ大陸発見へと至る旅に出たクリストファー・コロンブスは、航海時間を計測するため、砂時計を持って乗船しました。つまり船員は、砂がすべて落下する30分おきに、砂時計をひっくり返さなければならなかったのです!

現在のような時計の歴史は、15世紀のいわゆる懐中時計(鎖で衣服につないだり、その名の通りポケットや懐にしのばせて使用する携帯型時計)までさかのぼります。その後、1510年頃、ドイツの時計職人ピーター・ヘンラインがゼンマイばねにより機構に革命を起こします。それにより、時計はより小型化し携帯しやすくなりましたが、非常に高価であったため、所有できるのはごく一部の富裕層のみでした。19世紀になると、産業化とともに価格はより手頃になり、時計は大きな人気を博すようになります。

真の転機は17世紀におけるクォーツ式ムーブメントの発明と、その後の1778年における、アブラハム=ルイ・ペルレによる最初の自動巻き式の設計とともにおとずれました。これらは技術的快挙でしたが(毎晩手でゼンマイを巻く必要がなくなったのです!)、これらの発見が一般市民に浸透することはありませんでした。自動巻き時計(後ほど解説いたしますので少々お待ちください)は、20世紀に入り第二次世界大戦が終結してようやく人々に普及したのです。兵士が腕に装着し始めたのが、そのきっかけでした。飛行機を操縦する際や武装した際に、はるかに時間を読み取りやすかったのです。 数年後、20世紀末に初のクォーツ式腕時計が誕生し、そのムーブメントの正確さで時計の世界に革命を起こしました。

過去へのつかの間の旅を終え、現在に戻りましょう。

完璧な時計マニアになる前に、まずは時計のさまざまな構成要素を表す語彙とともに、基礎を固めることから始めましょう。

——    知っておくべき時計用語は?

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  1. ガラス:文字盤を保護するとともに、時刻の読み取りを可能にします。
  2. ベゼル:文字盤を取り囲み、ガラスを固定します。
  3. :時間と分を表示します。
  4. 文字盤:インデックスが配置されています。
  5. ブレスレット:時計の手首への装着を可能にします。
  6. ラグ:ブレスレットを取り付けるためのケースの突起部分です。
  7. リューズ:時計の時間を調整するために回します。
  8. インデックス:それぞれの時間の位置を示します。
  9. エンド・リンク : ブレスレットの先端にあり、ケースと連結する部分です。
  10. バックル:ブレスレットの開閉を可能にします。
  11. ミドルケースまたはケース:ムーブメントを含む主要な要素です。
  12. 裏ぶた:ムーブメントを固定します。

さあ、これで腕時計のすべての構成要素を説明できるようになりました。しかし、時計はどのように動いているのでしょうか。ケースを開き、内部の様子を観察しましょう!

——    ムーブメントとは何でしょう?

ムーブメントは、言わば”時計の心臓部”。パーツ全体で、針を規則正しく回転させます。

時計製造の世界では、主に3種類のムーブメントが存在します。

  • 最も古いものは、毎日手動で巻き上げることが必要な手巻き式ムーブメントです。リューズ(通常ケースの右側に位置しています)を回すと、ゼンマイが巻き上げられ、力学的エネルギーが生まれます。このエネルギーはゼンマイに蓄えられ、少しずつほどけていきます。このゼンマイの張力は、すべてのエネルギーが一気に放出されないよう、歯車で制御されます。このささやかなロック機能は、私たちにもなじみ深いもの。ケースに耳を近づけた時に聞こえるあのチクタク音です。
    テンプと呼ばれる、いわゆる振り子につながれ、歯車は毎時28,800回振動することが可能です。何という速度でしょう!この振動により秒針が回転し、時刻を知らせるのです。
    すべてのエネルギーを使い果たしたら、リューズを再び戻し、新たに機構を作動させる必要があります。

    小さなアドバイス システムの誤作動を避けるため、時計メーカーは毎日、同時刻に時計を巻き上げることを推奨しています。

  • 2つ目は、自動巻き式ムーブメントです。このムーブメントはその名の通り、手首に装着している間、自動で巻き上げられます。手巻き式ムーブメントと同様の仕組みですが、ローターを備えているという特色があります。ローターには、どのような役割があるのでしょうか?時計の裏側によく見られるこの塊は、特に有用です。
    それは手首の動きに合わせて振動し、機構のゼンマイを巻く働きをするのです。つまり、もう毎日リューズを巻く必要がありません!一方、一定期間時計を着用しないと、機構を作動させるためのエネルギーが十分でなくなり(いわゆるパワーリザーブ)、リューズを手動で回して再始動させなければなりません。

  • 最後に、クォーツ式ムーブメントに目を向けましょう。1970年代に開発されたこの比較的現代的なムーブメントには、正確かつ極めて信頼性が高いという大きなメリットがあります。
    さて、「クォーツ」という名前にピンと来ませんか?はい、それは何と、ジュエリーに使用されるものと同じ石。クォーツクリスタルには、自然にエネルギーを生み出す特性があるのです!これを圧電性と呼びます。19世紀にピエールとジャックのキュリー兄弟により発見され、この用語は機械的な力の影響を受け電位を生み出す物質の能力を指しています。具体的な例でご説明しましょう。電池を使用してエネルギーを供給し、クォーツを刺激すると、規則正しい周波数(毎秒32,700回!)で振動します。この驚くべき規則性により、クォーツは時計製造の世界で最も正確なムーブメントとなっているのです。

これらのムーブメントには、それぞれ長所と短所があります。スタイルや機能性、ご予算などを考慮して、お好きなムーブメントをお選びください。

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——    それぞれのムーブメントの長所と短所は?

メンテナンス性、耐久性、精度など、これらのムーブメントには、それぞれ長所と短所があります。メゾンはあなたのために、腕時計を選ぶ前に知っておきたいポイントをリストアップしました。

——    機械式ムーブメント

長所:

  • 純粋な機構を愛する時計ファンに支持されています。
  • 流れるような時刻表示や滑らかに動く秒針
  • 適切にお手入れすれば、ほぼ永続的に使用が可能な、耐久性の高い機構。
  • 自動巻き式の追加メリット : 手首の動きにより、無限に使用が可能。

短所:

  • 衝撃に弱い機構
  • 時刻の精度が磁気、気温、重力などの環境要因に左右されやすく、しばしば1日あたり15秒ほどの誤差を生じます。
  • これらのムーブメントは、約5年おきにオーバーホールをする必要があります。
  • 精度はクォーツ式に劣ります。
  • 手巻き式ムーブメントの場合:定期的な巻き上げが必要です。

——    クォーツ式ムーブメント

長所:

  • 最高の精度と信頼性
  • 手頃な価格
  • メンテナンスがほぼ不要のムーブメント
  • 洗練されたつくりにより、スリムなシルエットの時計が実現

短所:

  • 約4~5年おきに電池交換が必要

スイスと時計製造

——    なぜスイスは時計王国なのですか?

スイスが時計製造の世界基準であることに疑いの余地はないでしょう。同国には、最もすぐれた構造を持つ、最もすぐれた腕時計を製造していると自負する権利があります。しかし、そのノウハウはどこから来たのでしょうか?

この物語はスイスではなく、フランスで始まります。ジャン・カルヴァンはプロテスタント思想を擁護するためスイスに亡命し、宗教改革運動(カルヴァン派)を率いたフランスの牧師です。1541年、彼はジュネーブで法改正を行い、ジュエリーをはじめ華美な装飾品を禁じました。それは多くのジュネーブの宝石職人にとって災難でしたが、彼らは間もなく時計製造に転じたのです!

この転向はすぐに実を結び、スイスの時計製造の名声は、世界にとどろき始めました。1601年、初の時計製造業者の組合「ジュネーブ時計師組合」が設立されます。歴史が動いたのです!

組合員の中には、今日もなお輝き続ける時計メーカーの名も。ヴァシュロン・コンスタンタン、ブランパン、ブレゲ、オメガ、パテック・フィリップ、IWC、オーデマ・ピゲ、ロレックス…これらはすべて、スイスのメーカーなのです。

——    スイス時計とは?

ご覧いただいたように、スイスは時計製造や、この分野における卓越したノウハウで世界的に有名です。”Swiss made (スイス製)”の表記の入った腕時計は品質、精度、信頼性において高い評価を得ています。そして、スイスの人々はその名誉あるこのラベルのイメージを損なわないよう細心の注意を払っています。どんな時計でも”Swiss Made”を名乗れる訳ではありません。この貴重なラベルを手に入れるためには、原産地を証明し、厳格な条件をクリアする必要があるのです。

まず、時計の付加価値の少なくとも60%がスイス製でなければなりません。経済学的に補足させていただくと、これは時計製造のために必要なサービスの大部分がスイスで提供されなければならないことを意味します。また、ムーブメントがスイス製であること、つまり、ムーブメントの技術開発や組み立てをスイスで行っていることも必要となります。最後に、最終点検もスイス国内で行われる必要があります。ごまかしはききません。これらの規則は、スイス時計協会FH (Federation of the Swiss watch industry FH)により厳格に管理されています。

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さあ、時計製造の基本について少々おさらいしたところで、メゾンのモデル、プリマ(Prima)に注目しましょう!メゾン初の時計、プリマ・モデルの歴史と製造秘話については、 こちらのガイドをご覧ください。

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